1300年前に思い馳せる 上人壇廃寺跡にランタン灯る


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 須賀川市の「スカイランタン®IN上人壇~1300年前のあかりを灯そう~」は8日、新栄町集会所と上人壇廃寺跡で行われ、約150人が「金堂」や「講堂」の跡地を取り囲むように並んでランタンを浮かし、幻想的な光の中に先人たちが見た景色を重ねた。
 上人壇廃寺跡は東北本線須賀川駅北側に位置する奈良・平安時代の寺跡で昭和43年に国史跡指定を受けた。
 市は史跡公園化に向け実施設計を進めており、今回は広く市民に古代への理解を深めてもらおうと、駅前有志の会の運営、新栄町町内会、新栄町子ども育成会、日本スカイランタン協会®の協力、東京藝術大版画研究室の監修で実施した。
 参加者らは新栄町集会所に集まり、相楽重喜市文化交流部長は「ランタンを飛ばし、イメージが空想される時間を楽しんでほしい」、市川守町内会長は「新駅舎や駅周辺など盛り上げるため、町内会も頑張りたい」とそれぞれあいさつした。
 その後、ビニール製のランタンに自分の夢や目標、好きなアニメやゲームのキャラクターを描いたほか、東京芸術大が瓦など廃寺跡の出土品をモチーフに制作したハンコを押してオリジナルのランタンに仕上げた。
 また元県立博物館主任学芸員の荒木隆さんが上人壇の歴史などを講談で語った。
 廃寺跡に移動し、班ごとに整列して建物の外周を囲み、日が暮れるのを待ってランタンを点灯した。
 子どもたちは薄暗い空に浮かぶランタンに大はしゃぎしたり、うっとりと光のアートを眺めていた。
 参加した佐藤夢依さん(須賀川二中2年)は「貴重な史跡が身近なところにあると初めて知りました。自分たちで描いたランタンが空に浮かぶのはとてもきれいで楽しかったです。これから須賀川の歴史について、もっと知りたいと思いました」と感想を述べた。