
会場入り口付近で目を引く甲冑と刀剣「泰龍斎宗寛造之」
須賀川市立博物館の企画展「刀剣と刀装具―郷土刀と青津保壽刀装具コレクション―」は21日から始まり、江戸時代から現代までの刀剣52本、甲冑や刀装具などの資料120点が並ぶ。会期は11月30日まで37日間で、刀匠による実演や特別講演会なども企画している。
同館で刀剣に関する企画展を開くのは令和3年度以来4年ぶり。日本美術刀剣保存協会県南支部の協力で、特に県内ゆかりの刀工による名品が並んだ。
会場入り口では甲冑に並んだ刀剣がまず目を引く。刀銘「泰龍斎宗寛造之」(たいりゅうさいそうかんこれをつくる)は奥州白河城下に生まれた宗寛が江戸時代末期に手掛けた。長さ74・7㌢、反り1・8㌢。宗寛独特の淡く立つ乱れ映りや、表裏の濃密な刀身彫などが特徴的で、高い技量が遺憾なく発揮されている。
ほかにも白河出身で松平定信に仕えた固山宗次の重要刀剣「黒漆塗研出鮫打刀拵」、会津藩工で新選組隊士からの厚い信頼を得ていた角元興の「刀鍛冶棟梁角元興」、長沼の刀工吉宗が作った脇差しなど、貴重な資料を揃えた。
また全国屈指の収集家であった青津保壽氏(明治26年~昭和59年)が寄贈した同館所蔵のコレクションから選出したツバや小柄、目貫などを展示している。
会期中の催しとして、ギャラリートークは11月9日午後2時から、同県南支部の溝井辰美名誉支部長が展示品の魅力を紹介する。
特別講演会は同月16日午後2時から、刀剣文化研究所の高山武士主幹を講師に、刀剣鑑賞の楽しみ方などを教える。講演会のみ申し込みが必要となる。
現代刀匠の技を間近で見られる実演は、刀工・藤安将平さんを迎え、11月2、23の両日に行う。このほか鞘師・塚本剛之さんが10月26日、研師・塚本浩之さんと白銀師・溝井辰美さんが11月22日に熟練の技を来場者に見せる。時間はいずれも午前10時半から正午までと、午後1時半から3時まで。
小学生までの子どもを対象とした甲冑の着付け体験は25日と11月9日に実施する。参加費は1000円。
開館時間は午前9時から午後5時まで。松明あかし当日の11月8日は午後8時半まで開館する。
問い合わせは同館(℡ 0248-75-3239 )まで。











