
画面越しにイタリアへメッセージを送る大寺市長
「火祭り」を通じて須賀川市と交流を続けてきたイタリア・アブルッツォ州の自治体ファラ・フィリオールム・ペトリは、両市の伝統行事とこれまでの親交を本にまとめた。現地のパオロ・ピテッティ市長など関係者らは17日、イタリアの日本大使館を訪れ、本を寄贈した。会合の様子は須賀川でもインターネットで中継され、窓口となって交流を推進してきた「火祭りで須賀川とイタリアを結ぶ会」の会員や、大寺正晃市長、永瀬功一教育長らがメッセージを送り、絆を深めた。
ファラ・フィリオールム・ペトリで行われる聖アントニオ祭が須賀川の松明あかしと似ていることをきっかけに両市の交流は始まった。同会は2016年に発足し、互いの火祭りに参加し合ったり、子どもたちの描いた火祭りの絵画を送り合ったり、子どもたち同士のオンライン交流会など行ってきた。
3年がかりのプロジェクトとして完成した本のタイトルは「躍動の学校:心を繋ぐ『炎』」で、交流のきっかけ、それぞれの行事の特徴などをイタリア語と日本語の両方で記している。互いに訪問した際の写真や、子どもたちが描いた絵も掲載した。原稿の一部は交流に参加した須賀川の子どもたちが担った。
中継をつないだグランシア須賀川には、水野和彦会長や安田きよ子副会長、本に原稿を寄せた井上心菜さん(西袋中)らが参加し、交流を支えてきた阿左美綾さんが現地の映像を翻訳した。
大寺市長は「両市の火祭りに運命的なものを感じる。これまで育んだ友情をこれからもっと育てていきたい。また須賀川に来てもらえたら、精いっぱいもてなしたい」とジョークを交えながら伝えた。永瀬教育長も「須賀川では中学生たちが松明あかしにたくさん参加しており、ぜひ見に来てもらいたい」と呼びかけた。
パオロ市長は遠く離れた須賀川との交流が続いていることについて「まず何より互いに同じ人間なんだ」と強調した。
大使館には2017年に同会の来訪を歓迎したカミッロ・ドノフリオ前市長や、同年に須賀川を訪れ、大松明を担いだ経験を持ち、本の製作の中心を担ったフランチェスコ・デ・リティス前副市長の姿もあった。
デ・リティス前副市長は「須賀川での体験が忘れられない。両市の火祭りは、市民の生活に根付いているところが共通している」と述べ、製作への協力に感謝した。
なお同会は両市の交流など取り上げたドキュメンタリー映画「日本・アブルッツォ 見えない絆」を11月3日午後1時半から、tetteで上映する。入場無料のため、多くの来場を呼びかけている。











