1720柱に平和誓う 戦後80年 須賀川市戦没者追悼式


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    戦没者に献花し、平和を誓う大寺市長

 須賀川市の戦没者追悼式は30日、市文化センターで行われ、戦後80年の節目に戦没者1720柱の冥福と恒久平和の誓いを捧げた。
 須賀川、岩瀬、長沼各地区の遺族関係者ら約60人が参列した。
 国歌斉唱に続いて参列者一同で黙祷した。大寺正晃市長は「戦後80年、戦争の惨禍を直接知る人は少なくなり、記憶が遠いものとなりつつある。戦争を知らない私たちだが、一人ひとりが戦没者の尊い犠牲と遺族の長年の苦しみを受け止め、平和の尊さを伝えていく責任を持っている。今もなお世界では紛争や人権問題が続いている。私たちは日々の暮らしの中で『対話』を大切にしながら、平和の種を未来につないでいかなくてはならない」と式辞を述べた。
 追悼のことばは佐藤暸二市議会議長、渡辺康平県議、安齋満県遺族会長(代理)がそれぞれの思いと決意を述べた。
 市遺族連合会を代表して森登輝雄長沼支部長は「父は昭和15年から2年間、満州で軍務に就いた。帰国後に結婚したが、19年に再度召集を受け、20年にフィリピンのルソン島で戦死したとされている。私が生まれて3カ月のことだった。私は今も歴史作家の本などから、戦争がどのように進んだのかを振り返っている。戦争体験者や遺児が少なくなる中、歴史から学ばなければ、時代が変わっても知らず知らずのうちに同じ過ちを繰り返すことがある。伝え学ぶことの大切さを痛切に感じる。戦争が始まると途中で終われないことは現在の世界情勢も物語っている。我々のような遺族会が二度とできないことを願い、1720柱の冥福を祈る」とした。
 大寺市長ら代表者が献花し、戦没者の冥福と、平和の実現を願った。