須賀川特撮「世界に誇れる」 樋口・田口両監督トーク アーカイブセンター開館5周年


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    特撮愛を存分に語り合う樋口監督と田口監督

 世界に誇る特撮に特化した文化伝承施設「須賀川特撮アーカイブセンター」が3日、開館5周年を迎えた。記念トークショーは同日、岩瀬市民サービスセンターで開かれ、現代特撮の第一線で活躍する樋口真嗣監督と田口清隆監督が市内外から集まった約80人のファンに須賀川と特撮にまつわる思いを熱く語った。
 同施設は貴重な特撮関連資料を全国から収集し、保管公開する施設として令和2年11月3日に開館した。須賀川出身の「特撮の神様」こと故円谷英二監督らが生み出し、現代まで続く特撮を文化として捉え、後世に継承する。現在は2000点を超える資料を有し、これまで国内外から10万人を超える来館者を数える。
 トークショー講師を務めた樋口監督はATAC(アニメ特撮アーカイブ機構)副理事長を務め、平成「ガメラ」3部作や「新幹線大爆破(リブート版)」など多くの現代特撮作品でメガホンを取り、日本特撮の最前線で活躍している。
 また田口監督は令和ウルトラマンシリーズなど様々な作品で監督を務め、現代の特撮界を代表するクリエーター。学生時代から積極的に自主怪獣映画撮影にも携わり、現在4期生の「すかがわ特撮塾」全期塾長や全国自主怪獣映画選手権(須賀川大会は12月21日開催予定)を主催する。
 トークショーは「須賀川と特撮」をテーマに、樋口監督らも携わったアーカイブセンター開設のきっかけや意義、旧長沼屋内ゲートボール場と駐車場を改装した特撮撮影所「ながぬまラボ」などの魅力を紹介した。進行は特撮塾常任講師で映像コーディネーターの島崎淳さんが務めた。
 両監督は幼少期に見た特撮撮影の裏側を紹介する番組で特撮の魅力を知りはまり込み、「人生が狂わされた」と会場の笑いを誘った。また、自分たちと同じように特撮文化を継承する人材を生み出すためにアーカイブセンターがあると述べ、同施設とながぬまラボがある須賀川市は「世界に誇れるまち」だなどと持論を展開した。
 樋口監督が若手で携わり、田口監督が最初に特撮に親しんだ「84ゴジラ」撮影現場のお宝写真やながぬまラボでの「新幹線大爆破」撮影光景なども公開され、来場者たちも目を輝かせてスクリーンに見入っていた。
 田口監督は同アーカイブセンター収蔵のミニチュアを使って全国各地でワークショップを開いて特撮への関心を高める活動を紹介した。