朝日稲荷神社の「中丸ざくら」 樹勢回復へ腐葉土まく 知る古会ワークショップ


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    桜周りに腐葉土を施肥する参加者

 須賀川知る古会の神楽殿寺子屋第3回「中丸ざくらの再生」ワークショップは2日、会員と市民ら約30人が参加して旭ケ岡公園の朝日稲荷神社神楽殿前で開かれ、樹勢回復を願い桜周りに腐葉土を与えた。
 中丸ざくらは「県緑の文化財」にも選定されたエドヒガン系のシダレザクラで樹齢400年ともいわれる。岩瀬国造5代目の岩瀬彦命が里人に種まきの時節を知らせるため神社境内に植えたと伝えられている。
 東日本大震災で稲荷神社が被災した際、所有者の協力を得て神楽殿を平成25年秋に復旧した経緯を持つ知る古会は、中丸ざくらの枝の剪定や周辺環境整備など保全活動にも取り組んでいる。
 3代目にあたる現在の桜は高齢と病気の罹患により樹勢の衰えが目立ち、太い幹に深いうろや割れが確認されている。
 明るい兆しもあり、4代目の若木が3代目脇から伸び始めている。若木はまだ細く、老木倒壊で共倒れする危険性を考慮し、3代目の長寿命化を図るためにも支柱を2本設置し、太い幹を支える計画を進めている。
 今回のワークショップは三春滝桜の主治医などを務める、県樹木医会樹木医の鈴木俊行さんを講師に迎えて、中丸ざくらの現状と今後の再生について説明を受けた。
 鈴木さんは桜の適切な保全には根の保護と適度(年1回程度)な施肥が必要だとし、参加者も協力して中丸ざくら周りに腐葉土を与えた。
 知る古会特製の「お汁粉」の振る舞いがあり参加者たちも温かなおもてなしに笑顔を見せていた。
 同会では中丸ざくら保全に向けた寄付の協力を呼びかけている。問い合わせは事務局(℡ 0248-75-3005 )まで。