「みて、ふれて、体験する」を重視 須賀川市歴史民俗資料館再スタート 出前授業・講座に力入れる


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    「住まい」「食べる」など機能ごとに展示する民具
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    1階部分の資料は手に触れて、持つこともできる

 須賀川市歴史民俗資料館はリニューアルに向けた準備を完了した。今月26、27の両日、地域のイベントに合わせて特別公開し、再スタートを切る。収蔵する民具は約2000点に及ぶが、「みて、ふれて、体験する」ことを重視し、資料を手に取って先人の暮らしや工夫に想像をめぐらせることができるハンズオン展示を増やした。
 同館は平成7年に旧長沼町が整備した。外観は古い城下町の蔵をイメージし、樹齢250年以上の大杉や「岩瀬の赤松」と呼ばれた大木を地元の山中から伐採して使用している。
 これまで平日に入館無料で開放し、地元から長年にわたり親しまれてきた。しかし入館者数は伸び悩み、令和5年度は1335人、このうち団体利用が425人、個人利用が910人で1日あたり3・7人だった。来館者がゼロの日も複数あり課題を抱えていた。
 こうした背景もあり、リニューアル後のコンセプトは従来の「来てもらう」から「地域に出向く・届ける資料館」に変更し、学校・団体の観覧受け入れはもとより、出前授業・講座に力を入れる。
 特に出前授業は、同館から距離の遠い学校でも利用しやすくなり、児童のバス移動経費の削減にもつながるため歓迎の声が聞かれる。現時点で市内小学校2校が来年2月の出前授業を申し込んでいる。
 昔の炊事・洗濯道具などをセットにした資料の貸し出しも行う。
 また高齢者施設などに向けて「回想法」に使える昭和期の生活道具も貸し出す。
 「回想法」は懐かしい家庭用品などを見たり、触れたりしながら経験や思い出を語り合う一種の心理療法で、認知症の人に対するアプローチとして注目されている。
 施設としてはコンセプトの変更に伴い、以前のように毎日開館する形態から、事前予約による学校・団体観覧の受け入れと、イベントなどに合わせて公開する形に変わる。
 収蔵・展示機能を強化するため2階建ての積層ラックを整備した。
 展示の分類は機能面から理解しやすいように整理し、ハンズオン展示を増やしたことで道具の重さ、使い勝手などを経験として学べるようになった。
 地域の歴史や展示内容に関連した図書も配置し、知識を深める手助けをする。
 今後、週末に工作や体験講座等のワークショップも企画し、子どもたちへの歴史教育への支援や地域団体との連携による文化顕彰を推進するなど、同館を拠点とした歴史と文化を活かしたまちづくりを進め、地域コミュニティの活性化につなげる。
 なお集中改革プランの公共施設マネジメント素案で、同館に博物館機能を移転し、博物館は収蔵に特化する案が出されていたが、その後の検討により困難であると判断し、変更となった。