
貯水率が35.2%まで低下した羽鳥ダム
天栄村の羽鳥ダムの貯水率は16日午後4時現在で35・2%まで低下し、渇水目安水位を下回っている。このまま降雨による著しい回復がなければ、昨年より2週間程度早いお盆時期に農業用水の供給を終了することが見込まれる。収穫量への大きな影響はないとの見方もあるが、温暖化により同様の渇水は今後も起こる可能性があり、対策が求められている。
矢吹原土地改良区によると、今年度の組合員数は約1800人、給水を受ける農地は約1320㌶。市町村別にみると矢吹町が645人・約500㌶、鏡石町が541人・約455㌶、泉崎村が231人・約206㌶、須賀川市が250人・約113㌶、白河市が63人・約38㌶、天栄村が20人・約7㌶となっている。
貯水率低下の最も大きな要因は、昨冬の降雪が少なかったことにある。5月11日の取水開始時点で貯水率は約76%しかなく、昨年より10%ほど低い状態からスタートした。
また羽鳥ダムはもともと降雨による貯水率の回復により給水を賄うことを想定しているが、取水開始後も十分な降雨はなかった。
このため計画的に取水を中断することで稲作への影響を最小限にする試みが行われてきたが、このところの暑さにより矢吹町ではひび割れが発生したほ場も現れはじめている。そのため21日から24日の給水を停止する予定だったが、このまま給水を継続して稲へのダメージを抑える方針に変更した。
矢吹原土地改良区職員は「深刻な状況にあることは間違いないが、収穫量が大きく減少するほどの影響はないと予想している」と語る。しかし兼業農家などで作業が後手に回ってしまうと、影響がより大きくなる可能性もあると指摘する。「気候温暖化などの影響で、今年のような状況は今後も起こる可能性が高い。今まで通りの感覚による稲作から改善が求められている。我々も水を張らずに散布のみで栽培する節水型乾田直播や、中干しを期間延長させるJクレジットの取り組みを試験的に実施し、組合員の支援につなげていきたい」と考えを示す。
総貯水量2700万立方㍍の羽鳥ダムが完成したのは1956年であり、今年70年を迎えた。
気象庁によると湯本の年間降雪量は2010年代前半頃まで5㍍を下回ることが少なく、7㍍以上の年も多かった。しかし近年は5㍍を超えることが稀であり、温暖化の影響は如実に現れている。
この状況に対応した稲作の改善はそれぞれの農家にも必要であり、持続可能な今後のあり方が問われている。











