
厳しい現状を改めて共有する大寺市長
須賀川市の来年度当初予算編成方針等説明会は2日、市役所で開かれた。来年度は集中改革プランの最終年度であり、大寺正晃市長は見直すべき事業の廃止・縮小を通じ、市民生活に直結した施策に予算配分を転換するよう職員に求めた。一方、新たに「市長推進事業枠」を創設し、行政のDX化を進めるほか、各行政センターに100万円の予算を配分し、「市民との対話」を推進する中で、それぞれの地域が抱える課題を市民協働により改善・解決する取り組みを進める。
大寺市長は出席した幹部職員に対し、市が置かれた厳しい情勢を改めて共有し、選択と集中による事業の見直しと、将来に向けた必要な投資の継続の必要性を説いた。
「市長推進事業枠」のうち、市民との対話を推進する「住民参加による予算編成」は、これまでのように行政主体で地域課題の解決を目指す事業とは異なる。今年度から各行政センターに地域支援員を配置しており、各地域の代表者等との対話を通じてそれぞれの抱える課題などについて把握を進めている。そうした中で見えてきた課題について、住民とともに必要な改善・解決の手立てを対話的に探り、事業として進める新たな取り組みを目指す。
もう一方の「行政のDX化」は、行政の効率化・住民の利便性向上を図るため、デジタル技術を活用した業務やサービスの根本的な変革を目指す取り組みで、これまでも進めてきたDX化をデジタル活用推進事業債の活用でさらに加速する。
昨年度決算における経常収支比率は速報値95・8%で、過去最悪だった前年度より5・4ポイント改善した。だが、財政調整基金は今年度期末残高が4億3500万円となる見込みで、集中改革プランで来年度に達成すべき9億円まで4億6500万円程度不足している。
そのため市民が安心して暮らし、誇りを持てる「元気な須賀川市」を実現するには、一時の指標に一喜一憂せず、継続して行財政改革に取り組む必要があり、市民生活に大きく直結するサービス以外の大胆な廃止・休止を決断し、あらゆる税外収入の確保・拡大に取り組み、職員一丸となって行財政の再生に向けた成果を示すことを求めた。
公共施設については、今年度に策定する「第2次公共施設等総合管理計画」と「個別施設計画」に基づき、施設の再編を図るための予算計上を指示した。存続させる施設も「可能な限り維持管理経費の縮減に努め、経常経費の削減」を求める。
使用料や手数料は、引き続き適正な受益者負担となるよう、使用量と手数料の適正化を図る。
税外収入の確保・拡大は、未利用の土地や建物などの公有財産を積極的に売却すること、あらゆる公有財産でネーミングライツを導入すること、広告事業や公有財産の民間貸付に取り組むこと、ふるさと納税や企業版ふるさと納税、クラウドファンディングなども活用を進める。
一般財源が1000万円以上の事業等は一件査定、同額未満は部門別枠配分予算とするハイブリッド方式を継続する。
年度内で予測される全ての歳出をもれなく計上するよう求め、適切な見込額を把握した上で意図的に所要額を低く計上した場合、生じた不足額は補正予算で対応しないと明記した。
【今後の見通し】
経常経費の削減が急務であるが、社会保障費の増大や人件費の上昇など様々な要因で、現在約50%を占める義務的経費はさらに大きな割合を占めていくものと見込まれる。
須賀川地方広域消防組合、公立岩瀬病院企業団に対する負担金の増加、公共施設の老朽化により改修に要する財源確保が必要となるなど、課題は山積している。










