経験は「一生の財産」 最後の派遣生4人が成果を発表 須賀川市青少年人材育成海外派遣事業 16年間にひと区切り


 今年度でひと区切りとなる須賀川市青少年人材育成海外派遣事業の研修視察報告会は22日、tetteで行われ、中・高生計4人が7日間のオーストラリア渡航で学んだ成果を発表した。生徒たちは得られた経験を「一生の財産」としてこれからの人生に生かしたいと語り、関係者に感謝を伝えた。
 同事業は、平成22年(2010年)に市内在住で元警察職員だった故安藤ツヤさんが、倹約して積み立てた資産を子どもたちの人材育成に活用してほしいと6000万円を寄付したことで始まった。これを受け市青少年人材育成基金が設立され、翌年から派遣を開始。取り組みに共感した釜屋やコーワ建設工業、みのるコンパスなども基金に寄付してきた。
 この16年間で109人を海外などに送り出し、体験的な学習を通して国際理解を深め、将来の須賀川を担う人材を育成した。歴代の派遣生には東京オリンピックに出場した旭化成の相澤晃選手をはじめ各分野で活躍する人たちが名を連ねる。
 事業は一定の成果を挙げたことや基金の残高を踏まえ、今年度でひと区切りとなる。次年度からは、市予算の後継事業を検討している。
 最後の派遣生は、池田悠里さん(須二中1年)、吉田康将さん(長沼中3年)、関根美羽さん(西袋中3年)、津吹直孝さん(須賀川桐陽高1年)の4人。7月から8月にかけてオーストラリアを訪れ、オペラハウスやタロンガ動物園の見学、ホームステイ、地元学校との交流を通じて現地の社会や文化、自然に触れた。
 代表の津吹さんは「言葉が通じなくても一生懸命に関わろうとすることで、自然と心が通い合っていく経験ができた。研修で得たグローバルな視野と挑戦心でこれからも成長し、いつか皆さんに恩返しがしたい」とあいさつした。
 続いて生徒一人ひとりが学びを発表。ホームステイ先では中国人の受け入れも重なり、多国籍の交流ができたという。学校交流では牡丹園の紹介や書道の披露で日本文化を伝え、積極的なコミュニケーションで言葉の壁を越えて心を通わせた。
 大寺正晃市長と永瀬功一教育長は「学びを糧に一層成長し、様々な分野で活躍してくれることを願う」とエールを送った。