火曜コラム(紙面掲載 2026年2月24日)

夏奈色ひとみ


ひとり言を味方に

 みなさんはひとり言を言いますか?それはどんなひとり言ですか?
 私が最近気づいたよく言うひとり言は「よし!」です。
 自分の行動を切り替えたり鼓舞したりする時や、仕事柄「よし、できたね」「よし、やろう」など子どもたちの思いを代弁するように発していることが多いです。
 テレビにひとりツッコミを入れたり、運転中などもついひとり言を言ったりしています。
 ひとり言はほぼ、人間ならではのもので「ものを考えている時に考えをはっきりさせようとする場合や、興奮した場合などに多い」(現代言語学辞典、成美堂)。また、退屈やわびしさを紛らわせる場合もあるとのこと。
 脳科学者の毛内拡さんは「ひとり言は脳のストレスへの対処だと考えられます」と言います。
 脳は目や耳からの情報がないと外界で何が起きているかを把握できないので、たとえば気温が低いことについて「寒い」と言葉に出すことで脳が状況を理解しストレスが軽減されるのだそうです。
 「嫌だな」「だめだ」などもつい言いがちですが、脳にとっては仕切り直しした方が良いと判断し解決方法を考えることにつながるとのこと。
 また、ネガティブなことが起こった時、逆転の思考で、出来事の語尾に「助かった」を付ける習慣のすすめを目にしました。
 例えば、「上司に注意されて落ち込んだ」という事実に「でも大きな事故を起こす前に気づかせてもらって助かった」と考えるというようなことです。
 一見ネガティブなことにも、プラスの面があるという視点を持つと、全ての物事には意味があり無駄なことはないと感じられるようになると思います。
 ほかにも運がいいから「ありがたい」と言うのではなく、「ありがたい」と言うから運が良くなる、という話もあります。
 イギリスの民話を絵本にした「わたしゃほんとにうんがいい」(作・絵 せなけいこ、出版社・鈴木出版)を思い出しました。
 にこにこおばあちゃん、目の前の一見残念に思うようなことにも前向きに価値を見出し「わたしゃほんとにうんがいい」と言う姿はまさに運を味方につける秘訣なのかもしれません。
 今日から「ありがたい」「運がいい」をひとり言の口ぐせにしていきたいと思います。

絵本作家

夏奈色ひとみ

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