「助け合える関係をつくる」 小塩江中で震災学習 経験と教訓を引き継ぐ


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    富岡町の大震災の話を聞く生徒たち

 小塩江中の震災学習は11日、全校生20人、小塩江小の5、6年生14人、教諭らが参加して中学校多目的スペースで、東日本大震災で亡くなった人たちを追悼するとともに、当時の経験と教訓を継承し、自らの生き方を考える契機にするため開かれた。
 学習の前に全員で黙とうをささげ、邊見浩校長が「13年前の今日、中学1年生は生まれたばかりか1歳だったと思う。自分たちが安心・安全に過ごすには、そして復興にはどうしたらいいか考えてほしい。今日は貴重な生の声を聞いて勉強してください」とあいさつした。
 富岡町3・11語る会の渡辺好さん(72)=郡山市在住=を講師に迎え、「復興を支える人のつながり」と題して講話した。渡辺さんが住んでいた富岡町は福島第一・第二原発の間に位置し、地震から津波、原発事故と甚大な被害を受けた。渡辺さんは経緯などをプロジェクターに映し出しながら解説し「原発事故から6年間は人口0人でした。今も帰還困難区域があり、12年過ぎても前のようには住めない現状があります」と伝えた。
 災害時は情報の入手が困難であり、近所の助け合い「共助」が大切だとして、常日頃からの地域でコミュニケーションを取るなどコミュニティ維持の重要性を伝えた。地域の人と深い関係をつくることは被災時の助け合える関係性につながり、さらに生きて行く上で辛い時に声をかけ合える、絆を深めることが大切と伝えた。
 最後に押川千晏さん(3年)が「当時2歳でした。今日のことを参考に日々生活します」とお礼の言葉を述べ、吉田悠愛さん(6年)が花束を贈った。

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