東北大の荒武教授が旧牛袋村を解説 須賀川市立博物館の「すかがわ文化財講座」


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    牛袋村の歴史を解説する荒武教授

 須賀川市立博物館の第3回すかがわ文化財講座は10日に開かれ、講師に迎えた東北大東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門の荒武賢一朗教授が、江戸時代の陸奥国岩瀬郡牛袋村について、市内の古文書研究から得た知見を共有した。
 同館は2019年度から、荒武教授ら同研究部門と市内の歴史資料調査を実施しており、今月末まで研究成果パネル展を市役所で実施している。
 今回の講座では1698年(元禄11年)から1790年(寛政2年)まで名主(村長役)を務めた安藤家の残した古文書「安藤家文書」をもとに、当時の出来事など紐解いた。
 中には村民たちが名主を訴えた訴状の控えなどもあり、受講者を驚かせた。
 訴えの理由は、名主が村民に年貢の未払い分を求めた一方、困窮した村民が納入期限の延長を願い出たものの、拒否されたことにあった。また名主が所有する田を優先するために用水が行き渡らない、さらにイノシシやシカの駆除への動員、大凶作の際に難題を課された村民の失踪や破産など、複数の要因が重なった。そのため名主役をしっかりと務めるよう求めたという。
 その後は村民の代表である組頭が名主役の代行を務め、翌年に安藤家が名主役を罷免された。
 受講者たちは困窮の中にあっても、名主に従うばかりではなかった先人たちの行動に歴史の奥深さを感じていた。