
練習に熱中する参加者たち
部活動の地域展開(地域移行)について、今年度から「改革実行期間」がスタートし、各自治体は10年度までの前期で確実に休日の地域展開等に着手することが求められている。指導者や練習場所の確保など、様々な課題がある中で、須賀川市内では剣道や柔道、ソフトテニスなどが地域クラブとして活動し始め、生徒たちが希望する競技に打ち込める環境が生まれつつある。今年は「須賀川市地域バレーボールクラブ」(SVC)が活動を開始し、特に男子バレーボールに新たな可能性が芽生えている。
市内の男子バレーボールは、長年にわたって空白の中学時代という課題を抱えてきた。
バレーボールを専門とするスポーツ少年団は現在2団体が活動し、男子団員も所属している。
しかし中学校に男子部はなく、進学に伴い卒団した子どもたちは、高校入学まで別の競技に取り組むか、中にはバレーボールを続けるため、郡山など市外の学校に進学する子どももいる。
部活動の地域展開を見据えながら今年3月に発足したSVCは、そうした課題の解決にもつながる。
小学5年生からスポーツ少年団でバレーボールを始めた山口桐弥さん(西袋中1年)は「中学ではできないと思っていたので、SVCができてうれしかったです。チームでボールをつなぐバレーボールが好きなので、もっとうまくなって、いつかSVCで大会に出て勝ちたいです」と語る。
SVCは須賀川バレーボール協会長の圓通圭司さんを中心に、協会の4、5人で指導にあたっている。
現在は須賀川二中や須賀川三中、西袋中、仁井田中などの生徒15人前後が毎週水曜日は中央体育館、金曜日は須賀川三中体育館で午後7時から練習している。
競技の上達を目指す女子も参加しているが、多くは男子であり、未経験者が大半を占める。
そのためトスやレシーブ、スパイクなどの基礎を個人のレベルに合わせて指導している。また試合形式も交え、まずは「バレーボールの楽しさ」を味わってもらおうとする工夫が随所にみられる。
参加者たちは徐々にコツをつかんでいき、狙い通りのプレーができると周囲を巻き込んで喜び合っている。またコート内には圓通さんらの「いいね!」「惜しいよ!」など明るい指導の声が響く。
未経験ながらムードメーカーとして周りを明るくする今村悠孝さん(須二中1年)は「母がママさんバレーで楽しそうだったので、始めてみました。部活動には入らず、小学校から続けているドッジボールと2種目で頑張っています。新しい友だちをつくって、チームプレーも強化して、大会で入賞できるくらい上達したいです」と意気込む。
今年度は男子チームを編成し、ヤングクラブの大会出場も視野に入れる。来年度は中体連に登録する計画だという。また女子についても地域展開の進捗に合わせ、チーム編成を見据える。
初年度ということもあり、今年度は月謝を無料としている。しかし継続していくには資金や保護者負担への配慮など、解決すべき課題もある。
市では今年度、2学期を目処に「認定地域クラブ活動」に取り組む予定であり、認定を受けたクラブには国や県から所属人数に応じた補助も出る。
現在はガイドラインを作成中であり、子どもたちにとってより良い文化・スポーツ活動の環境の実現へ熟議を重ねる。
認定地域クラブが様々な競技で立ち上がることで、子どもたちの新たな可能性を引き出したり、希望する活動に取り組むチャンスが生まれる。
一方で指導者や練習場所、道具の確保、送迎や月謝などで生じる保護者負担の増加といった課題も少なくはない。
この数年で部活動をめぐる状況のさらなる変化が予想される中、地域一体で子どもたちを育む体制が求められている。











