
伝統への思いを伝える大寺市長
須賀川市釈迦堂川花火大会実行委員会は22日、市役所大会議室で開かれ、将来に向けた持続可能な大会運営のあり方を検討し「100年続く花火大会」をできる新体制を築くため、今年度は休止する方針を説明した。委員からは賛否両論があったが、方針は承認された。大寺正晃市長はマスコミの取材に対し、「伝統を続けていくための必要な準備であり、来年度は絶対に開催したい」と思いを語った。
釈迦堂川花火大会は昭和53年に始まり、昨年で44回を数える。途中、コロナ禍などでの休止はあったが、須賀川の夏の一大イベントであり、県内最大規模の花火大会として市内外から愛されてきた。
休止の背景として、これまで事務局を担ってきた市当局は「運営手法」、「収入の不安定」、「空港周辺地域特有の制約」の3点を挙げた。
運営手法は、現在、市職員と観光物産振興協会職員が運営の中心となっているが、打ち上げ環境の変化や来場者ニーズの多様化が急激に進み、安全かつ円滑な運営を確保する上でも限界を迎えている。
収入の不安定は、物価や人件費の高騰により、これまでの手法では赤字が予想されること、観覧席や露店出店料の値上げ、協賛金がこれ以上難しいこと、高騰分への補填で手一杯となり、花火打ち上げ費用に十分な予算を振り分けられないことなどを挙げた。
空港周辺地域特有の制約は、航空局の指導で離陸後10分、着陸前20分は打ち上げられず、結果的に観覧者の満足度が低下する影響を説明した。
今年度の休止は「次世代に守り抜くための戦略的な立ち止まり」と位置づけ、年度内に民間と連携した将来に向け持続可能な大会運営のあり方を検討する。
次回委員会はできるだけ早い時期(5月または6月を目標)に開き、まずは新体制の構築を図る。
新体制では委員の推薦を受けた若いメンバーも参画させ、新たなビジネスモデルの導入や「自分たちの花火大会」という意識の醸成などにつなげる。
また開催時期や事業規模の適正化、安定的な財源確保の仕組みなども検討していく。
委員からは「休止の判断が早すぎる。できる手段を先にやり尽くすべきではないか」、「継続は力なり、休止ではなく継続をお願いしたい」などの声があった。
大寺市長は「一度立ち止まる判断は極めて重いものだが、長期的な視点に立つと、伝統を守り続けるために体制の見直しが必要だ」などと答えた。
また委員から「英断」として評価する声もあり「中東情勢の影響は深刻で、今年やろうとすれば例年通りにはいかない」「改めて釈迦堂川花火大会を実施する意義を原点に立ち戻って市民とともに考えるべきだ」といった意見も寄せられた。
なお今回の実行委員会を踏まえ、大寺市長は今月中に市民へのメッセージを市ホームページから発信し、理解と協力を呼びかける見通しである。











