須賀川で過ごす第二の人生
学びが照らす希望
東日本大震災・原発事故によって大熊町を離れ、縁あって須賀川市に移住した。夫と息子の3人で暮らす。
「つらい思いを発散させたい」とトレーニング施設での運動やグラウンドゴルフなど様々なことに挑戦し始めた。8年ほど前からは裏千家の茶道も習い、美しい所作を追求することで心を落ち着ける方法を身に付けた。
また博物館友の会などに入会し、郷土史や古文書の紐解き方も学ぶ。「須賀川の歴史は奥が深く、特に江戸から明治にかけての激動の時代が私は好きです」と穏やかに話す。
さらにZoomを使ったオンライン講座も受講し、栄養学や健康に関すること、宇宙食などの学習も楽しんでいるという。
故郷を奪われる悲惨な経験に見舞われながらも、持ち前の知的好奇心を発揮し、自ら力で希望の道を歩み続ける。「コロナ禍が落ち着いたら、2泊3日で海辺の旅行にでも行きたい」と語る表情の奥には、苦難にも決して折れない力強さが感じられた。