住民に防災施設を説明 須賀川市西川中央公園 4月から利用再開


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    ポンプのデモンストレーションを見学する住民たち

 須賀川市館取町で防災機能を強化して再整備した西川中央公園について、市は17日に住民を対象とした現地説明会を開き、雨水を釈迦堂川に排水する内水排水処理施設のデモンストレーションなどを行った。公園は4月1日から利用を再開し、住民の安全・安心と地域コミュニティ活性化につなげる。
 令和元年東日本台風をはじめ、水害の被害が不定期にあったことを踏まえ、防災機能を考慮した公園の再整備が進められてきた。
 説明会は住民65人が参加し、市職員が防災施設の機能など説明した。
 大雨災害時には陸地に降って貯まる雨水(内水)と、河川からの堤防を越える洪水(外水)が課題となる。
 再整備後は内水排水処理施設を新たに設置した。コンパクトに配置したポンプゲート2台は、1分間で約294立法㍍排水できる能力を有する。これは25㍍プールを2分間で排水できるほどの性能で、水位が低くても稼働可能など高い機能を持つ。
 令和元年の災害の教訓をもとに、発電施設などは建屋2階部分に設置し、水没して機能不全にならないような工夫を取り入れた。
 現在は暫定的に稼働している状態で制御は職員の手が必要となるが、今後は大雨などの際に全自動で稼働する機能を加える予定。
 仮にこの施設での排水処理が追いつかない場合、1分間で28立方㍍排水する既存のポンプも稼働する二重の備えを持つ。
 さらに再整備後の公園は多目的広場部分を掘り下げており、内水が処理しきれないときは2万5000立方㍍(25㍍プール42杯分)を貯留できる機能を整え、浸水軽減と避難時間の確保を実現した。
 また公園内には雨水流入時に点灯する回転灯、水害時の状況を庁舎から確認できる防災カメラ、令和元年台風の記録板などを設置した。
 また日常的な憩いの場として、釈迦堂川堤防に植えられていた桜を再利用した東屋、1周450㍍のウオーキング・ランニングコース、多目的広場を一望できる階段ベンチ、ゴール1基を備えるバスケットコート、ぶら下がりや長座体前屈などできる健康遊具なども備える。
 市職員は充実した機能を説明した上で、「これができたから絶対に安全ということはなく、皆さんの防災の取り組みも必要であるため、引き続きご協力をお願いします」と呼びかけた。
 なお住民有志は公園再整備を祝うためのイベントを5月頃に実施するため、企画を検討している。