神田産業 JICAの支援事業に採択 ザンビアでビジネス化目指す


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    ザンビアでの取り組みを説明する神田社長たち

 須賀川市館取町の神田産業(神田雅彦代表取締役)は国際協力機構(JICA)の「中小企業・SDGsビジネス支援事業」のビジネス化実証事業に採択された。アフリカのザンビア共和国で来年から2年間、現地企業と連携して製造する段ボール製移動式医療施設の性能や、日本から持ち込む自社製品の現地適応などを確認し、将来的なビジネス化への道筋をつける。
 神田社長と関根好行常務、実際に現地に行く神田雅恵本部長、石澤秀忠ハニリアル事業部長が23日に市役所を訪れ、大寺正晃市長に報告した。
 同社はハニカム段ボールを使った移動式医療施設「DOKODEMO CABIN(どこでもキャビン)」により、ザンビア農村部で深刻な課題となっている医療施設不足、災害で頻発するコレラ等感染症流行時の応急医療、妊産婦向けのシェルター提供などの解決に取り組む。
 一昨年度、同事業のニーズ確認調査に採択され、2年間にわたる現地での医療現場視察や行政機関、国際NGOとの協議などを進めてきた。
 次のステップとしてビジネス化実証事業の採択を受けたことから、社会貢献と収益性を両立する持続可能なビジネスプランの策定を目指していく。
 具体的には来年2月以降、日本で作った自社製品を現地に運び、保健省の医療施設がない場所や、毎年洪水が起きる感染症の発生リスクが高い場所など約10カ所に設置し、感想を聞きながらブラッシュアップしていく。
 またビジネス化には現地法人を立ち上げ、製造を現地で行う必要性があると見込む。このため実証事業期間中に段ボール製造やパネル加工、材料提供、組み立てなどを行う現地企業にノウハウを提供し、現地で移動式医療施設を造り、性能を確認する。
 神田社長は「ビジネスにつなげることがザンビアにとってもプラスになる。社会貢献できるよう実証を進めたい」と語り、大寺市長は「須賀川発の日本企業として羽ばたいていただきたい」と成功を願った。