
貴重な油彩画「墨堤観桜図」などが並ぶ会場
須賀川市立博物館の秋季テーマ展「帰ってきた亜欧堂田善」は28日から11月29日まで開かれ、新収蔵資料を中心に銅版画、洋画、掛け軸など約50点が並ぶ。時代を経て故郷・須賀川に戻った名作を紹介しつつ、郷土の偉人が生きた証を後世に伝える、同館の役割を再確認してもらう機会を提供する。
江戸時代後期に活躍した洋風画家・亜欧堂田善は、同時代の画人たちにも影響を与え、現在も全国に愛好者がいる。
同館には、市内の太田貞喜氏が大正時代に収集し、孫の宏一氏が昭和51年(1976年)に市に寄贈した作品群(太田貞喜コレクション)をはじめ、多くの人が寄せた田善の作品や関連資料約200点が収蔵されている。
その意味で同資料群は雛人形と並び、「市民が育てた博物館」を象徴するものでもある。
今回は寄贈されたばかりの「田子浦眺望之図」や、寄託資料の「墨堤観桜図」「浅間山図屏風稿本」を展示する。また田善の試行錯誤の跡が見える作品の下絵、農耕女神像(銅版画見本帖十二図)の銅版を紙と布に刷った資料なども並ぶ。
会期中に展示の入れ替えも予定しており、何度見ても発見のあるテーマ展を提供する。
担当する学芸員は「田善の資料は常設展でも展示しているが、資料保護のため、こうした機会でなければ出せない肉筆画なども多い。多くの人が『田善の地元だから』と資料を託してくださったからこそできる展示なので、ぜひ見ていただきたい」と来場を呼びかける。
松明あかしが行われる14日は午後7時まで開館し、観光客にも須賀川の魅力としてアピールする。
なお2階の常設展も展示替えをしており、二階堂家ゆかりの「黒漆塗横剝二枚胴具足」、奥羽仕置きなどの資料も見どころとなっている。
開館時間は午前9時から午後5時まで。
問い合わせは同館(℡ 0248-75-3239 )まで。










