火曜コラム(紙面掲載 2021年3月9日)

菊地 大介


10年の歳月

 2011年3月11日、東日本大震災から10年が経とうとしています。改めて震災によりお亡くなりになった方々に心から哀悼の意を表したいと思います。
 皆さんは10年前はどうだったでしょう。
 振り返ってみるとさまざまなことがあった10年だったかと思います。いろんなものが進化し、まだ一向と変わらぬものもあります。
 私は地震がきたその時は、会社にいました。
 その15分後に須賀川市役所に駆けつけました。すると市役所が倒壊。そこへ須賀川一小生が涙を流しながら親と一緒に緊急帰宅をしているところでした。
 そこから釈迦堂川が濁っているとの情報が入りました。それは藤沼湖が決壊したとの情報でした。すぐに釈迦堂川へ駆けつけると、見たことのないドス黒い川の水になっていました。その夜は須賀川中停電で真っ暗な街を巡回しました。
 翌朝から呆然としていると、夕方NHKから福島第一原子力発電所が爆発したもようだとの報道がなされ、後に周辺のガソリンスタンドは長蛇の列。今も忘れられぬ光景です。
 そして2日後には3号機が爆発。正直「終わった」と思いました。
 でも、そこから放射線情報を発信するため、緊急災害ラジオを立ち上げ、ホテルウイング10階から情報を2カ月間出し続けました。
 その後、緊急災害ラジオは2カ月で閉局致しましたが、約8年の歳月をかけて、2年前に「ウルトラFM」として再開局となりました。
 10年前の地震があったからこそできあがった人との出会い、人との繋がり、そして絆があったからこそ「ウルトラFM」が産声をあげられたものと思っています。
 そして、東日本大震災から10年を迎えようとしている2月13日に震度6弱がまたも須賀川を襲いました。災いは忘れた頃にやってくると言いますが、災いはいつでもやって来るものだと思い知らされました。
 近年、台風19号そしてコロナウイルス。この10年は常に災いと共に歩んできた10年だったような気がします。
 地球が誕生して約46億年です。それから2億年後に海ができたそうです。とてつもない長い地球の年月の中でいつ何時地球が機嫌を損ねるかは人はわからないものです。いつ機嫌を損なわれてもいいように、「そなえよつねに」の精神が大切かもしれません。
 最後に10年間、様々な方々にお世話になってきました。改めて感謝申し上げたいと思います。「ありがとうございます」。

まちづくり会社 株式会社こぷろ須賀川 代表取締役

菊地 大介

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