火曜コラム(紙面掲載 2022年8月30日)

三浦 純一


抗原検査キットの使い方

 新型コロナウイルス感染症の第7波がなかなか止まりそうにありません。そして、夏休みが終わって学校が始まったことで、さらなる流行を懸念する専門家もいます。まだまだ安心できませんね。
 喉が痛い、発熱があるなどの症状がある時には、自治体から配布された、もしくは自分で買い求めた抗原検査キットで感染の有無を確かめましょう。
 しかし、発熱などの症状がなくて、感染が心配だからといって抗原検査キットで検査をしないでください。抗原検査はPCR検査よりもはるかに感度が低いので、ニセの陰性の結果が出ることが多いのです。症状がない場合にはPCR検査を受けるようにしてください。
 また、抗原検査キットの信頼性も重要です。薬局や自治体からのキットであれば、製品の感度は保証できますが、ネットで買える格安の検査キットは信頼性の保証が不明です。
 厚生労働省が承認した57品目の抗原検査キットはホームページで確認できますので、ネットで注文のクリックを押す前に確かめてください。
 抗原検査キットで陽性の場合、早い時には3分くらいで2本のバーが色づいて陽性であることが分かります。つまり、自分自身が大量のウイルスを持っているということですね。すぐにマスクを着用して家族や同僚に感染させないように注意してください。
 そして、陽性を示した検査キットは証拠になるので捨てないでください。密閉できるビニール袋など、後から陽性であることを確認できる容器に入れてください。
 かかりつけ医にそれを持っていくと、新たな検査なしに新型コロナウイルス感染症と診断してくれて、薬を出してもらえるかもしれません。
 だから、すぐにかかりつけ医に相談してください。受付できる場所や時間を指定してくれます。また、受診できない場合には受診できる病院を紹介してもらいましょう。
 現在の医院や病院は電話がつながりにくくなっています。先日の休日は公立岩瀬病院に電話が殺到して、30分くらいかけてもつながらないほどでした。なので、早めに電話しましょう。
 65歳以下で併存疾患がなく、症状がひどくない時には福島県の登録センターに、感染したことを自分で登録することができます。
 その際には抗原検査キットと免許などの身分証明書、抗原検査キットの製品名を一枚の写真として撮影する必要があります。
 スマホがないと登録が結構煩雑になると思われます。また、お薬の処方はないので手持ちの市販の薬などで頑張る覚悟が必要です。
 症状が強い時、65歳以上の人、さらに併存疾患を持っている人は、必ず医療機関を受診してください。
 そして、自宅に戻って家族から隔離された状態で療養をしっかりと行い、早い回復を目指しましょう。日頃からの感染防止対策もしっかりとお願いします。

うつみね診療所 所長

三浦 純一

とっておき情報募集