火曜コラム(紙面掲載 2023年4月18日)

三浦 純一


69歳の挑戦

 私は医師として45年目を迎えたこの春、地域医療と地域包括ケアシステムへの貢献を目的として、訪問診療を主として行う診療所の開業に向けて準備をしています。
 これは自分にとって新しい挑戦であり、地域医療における長年の経験と知識を活かしながら、地域のみなさまに貢献することを目指すひとつの決断でした。
 私は27年間お世話になった公立岩瀬病院を3月末で退職しました。その公立岩瀬病院で2年前にはじめた訪問診療で多くのことを学ぶことができました。支えてくださった訪問看護ステーションのみなさん、リハビリのみなさんには本当に感謝しています。
 今回、地域でさまざまな福祉・介護関連の事業を展開している社会福祉法人うつみね福祉会にお世話になり、新しい診療所を建設していただきました。現在はうつみね福祉会の一員として開業に向けて準備に大忙しの毎日です。
 診療所の設備を準備しながら、医療機関として運営に必要な資格や許可なども取得しています。
 診療所の目的は、地域のみなさまに対して訪問診療を提供することです。そのためには、地域の病院や訪問看護ステーション、介護施設との協力が欠かせません。病院や施設との連携を強化し、患者さんが安心して在宅で療養できるよう支援していきます。
 また、訪問診療にはさまざまな特徴があります。通常の診療とは異なり、患者さんの自宅や介護施設などで診療を行います。そのため、患者さんの生活環境や状況に合わせて診療を提供することができます。そして、患者さんの家族や介護者の方々とも密にコミュニケーションを取り、適切なアドバイスや支援を提供することができます。
 医師として長年働いてきた経験や知識を活かしながら、地域のみなさまに貢献することが私の喜びです。診療所を開設することで、地域医療の現場に身を置き、地域のみなさまと密に関わりながら、在宅における病気療養の質の向上に貢献できることを実感しています。
 そして、この新しい挑戦に取り組む中で、再び医療の重要性を実感しました。地域医療は、患者さんとの信頼関係を築き、地域と密に関わりながら、健康な生活を送るためのサポートを提供することが求められます。
 私は今後も、診療所の運営や訪問診療に取り組みながら、須賀川医師会の訪問診療の先輩方と一緒に地域医療と地域包括ケアシステムの向上に貢献していきたいと思います。
 人生の中で、新しい挑戦に取り組むことは、成長するための大きなチャンスです。年齢は関係ありません。
 いつでも新しい挑戦に取り組むことで、自己研鑽や自己実現の機会を手にすることができます。
 是非、あなたも自分にとって新しい挑戦を見つけ、前向きに取り組んでみてください。

うつみね診療所 所長

三浦 純一