火曜コラム(紙面掲載 2023年10月24日)

西間木 恵理


嗅覚を失った私~Loss of smell~

 10月も後半に入り、朝晩の冷え込みも厳しくなってきましたね。その分、晴れの日は陽射しが暖かく、絶好の「お庭日和!」。お庭でのんびりコーヒーを飲むのが我が家の至福のひと時になっております。
 さて、今回は私自身が7月にコロナにかかり、後遺症で嗅覚を失っていた「魔の2週間」の体験を書きたいと思います。
 初めの症状は喉の痛みで、翌日に発熱。コロナを疑い、自宅で抗原検査を2回行いましたが陰性でした。
 熱が下がりだした3日目に念のため病院を受診し、任意検査をしたところ陽性判定。その後は薬を飲みながら順調に回復に向かっていましたが、5日目くらいから何を食べてもあまり美味しく感じなくなりました。
 身体のだるさもあったので、久しぶりに好きな香りでリフレッシュしようと思い、好きな香りを嗅いだ時、「えっ!匂いがしない」と自分の異変に気が付きました。
 嗅覚障害は「味覚」に大きく影響しました。甘い、しょっぱい、苦いは分かっても、美味しくは感じないのです。そうなると、お料理が一番の苦痛になりました。
 炒めている香りもしなければ、胡麻やバターを加えた調理は、味が整ったのか判断できない状態。美味しそうなパンも無臭だとモソモソの物体だし、大好きなコーヒーは黒くて苦いお湯。
 そう、今まで感じていた「味」というのは、「香り(風味)」が分かってこその「味」だったことを、当たり前ながら、実感することができました。
 そんな日々でしたが、ある日ピザトーストを作ろうと思い、トースターでピザを焼きながら、サラダやスープなど他の準備をしていたら、火災報知器が突然鳴り出してびっくり!
 見たらトースターから煙がモコモコ!“わぁー!焼き過ぎた!”と慌ててトースターを開けたらすごい煙で、部屋中が真っ白に。臭いに気が付いた家族が、「わぁ!臭い!」と慌てて窓を全開にしましたが、私は何の匂いもしないので、みんなに「臭い?まだ臭い?」と何度も聞く始末でした。
 この時改めて、香り(異臭)が分からないという事は、火事やガス漏れなどが起きた時、危険を察知することができずに、逃げ遅れたりするのだと思い知りました。
 私たちの身体に備わっている機能というのは、どれが欠けても不自由であり、不自由さを体験しない限り、その素晴らしさや有り難さを忘れて過ごしてしまうものですね。今回の経験を通して改めて感じる事ができました。
 「健康で過ごせること」それは当たり前ではない事。今あるすべてを大切に、そして感謝し、日々を幸せに過ごしていきたいと思います♪ Be healthy and stay healthy all of you!

ヨガ+ライフアッププロデュース

西間木 恵理