火曜コラム(紙面掲載 2024年11月26日)

三浦 純一


寒さに負けない体づくり

 これからの時期は厳しい寒さが本格化します。朝晩の冷え込みは身体にこたえ、外出するのも億劫になる季節です。
 しかし寒さをそのまま放置すると、風邪やインフルエンザ、さらには慢性的な冷えによる体調不良を引き起こす可能性があります。
 この時期こそ寒さに負けない体づくりが重要です。
 まずは温かい食べ物で内側から体を温めましょう。
 例えば体を温める効果がある食材として「生姜」が挙げられます。生姜湯や生姜を使ったスープは、冷えた体全体を温かくしてくれます。根菜類もおすすめです。特に大根、にんじん、ごぼうなどは、胃腸にも優しく、消化吸収を助けてくれます。
 さらに体を冷やす食品を避けることも大切です。冷たい飲み物や生野菜などは体の冷えを助長することがあります。これらを避け、温かいお茶やスープを選ぶように心がけましょう。朝起きがけの50㍉㍑ほどの白湯もおすすめです。
 血流を良くする習慣も取り入れましょう。冷えの大きな原因の一つは、血流の滞りです。血液の循環を良くすることで、手足の冷えを防ぎ、体全体が温まります。おすすめは軽いストレッチや体操を日々の生活に取り入れることです。
 朝起きたときに布団の中でゆっくり手足を動かすだけでも効果があります。日中には、肩回しや足首の屈伸運動をすることで、全身の血行を促進できます。特に長時間座りっぱなしの方は、意識的に体を動かすようにしましょう。
 外気に触れる時間が長いほど、体温は奪われやすくなります。防寒対策をしっかり行い、冷えを防ぎましょう。
 基本は重ね着をすることです。薄手の服を何枚か重ねることで、空気の層が体温を保持し暖かさが増します。
 特にヒートテック素材の肌着やウールのインナーはおすすめです。冷えやすい手足や首元をしっかり保護することも大切です。手袋、マフラー、帽子を着用することで体全体が温まります。さらに、足元には厚手の靴下やルームシューズを活用しましょう。
 室内では暖房を適度に利用し、室温20度前後を保つように心がけてください。さらに加湿器を使って湿度を50~60㌫に保つことで、乾燥を防ぎつつ暖かさも感じやすくなります。
 さらにビタミンDやビタミンCの摂取も効果的です。日光を浴びることで体内で生成されるビタミンDは、免疫機能をサポートします。可能であれば、午前中に日光を浴びながら軽い運動を行うと一石二鳥です。
 寒さに負けない体づくりは、日々のちょっとした工夫で実現できます。この冬も、体を冷やさず、元気に乗り切りましょう。健康第一で、暖かい冬をお過ごしください。

うつみね診療所 所長

三浦 純一

うつみね診療所長 元公立岩瀬病院長