ヤドリギの木の下で
今日はクリスマスイヴ。
今年もあちこちでクリスマスツリーを目にしますが、モミの木以外にもクリスマスにちなんだ植物として、赤い実をつけるセイヨウヒイラギ、ポインセチアなどがありますが、ヤドリギ(宿り木)もクリスマスに縁のある植物なのをご存じですか。
先日のこと、車窓から落葉した裸の木にこんもりと丸く葉を茂らせたマリモのような部分があるのを見つけました。
一見、鳥の巣のようにも見えましたがそうではなく、確かに今までもどこかで何度か見かけたことがありました。あらためて目を引かれた私は、調べてみるとそれがヤドリギであることを知りました。
ヨーロッパでは永遠を象徴する神聖な木とされ、クリスマスのシーズンにツリーや玄関などにヤドリギの枝を飾る習慣があるそうで、花言葉は「困難に打ち勝つ」「忍耐」とのこと。
ヤドリギが興味深いのは、半分ほどは宿主の木から水分と養分をもらい、残りの半分は自分で光合成を行う半寄生植物で、土では発芽せず、鳥がヤドリギの粘着性のある果実を食べてそのフンを木の枝に付けてその中の種子が発芽するのだそうです。
そんな地に根を張っていないのにも関わらず、常緑樹として一年中葉を茂らせているヤドリギ。そのたくましい姿から、北欧などでは神話や伝説があるのです。
その一つがケルト(スコットランド、アイルランド、マン島、ウェールズ、コーンウォール等)の伝説で、ドルイドと言われる宗教的政治的指導を行っていた祭司が、ヤドリギは「不死、活力、肉体の再生」を表すシンボルでありヤドリギが生えている木は神が宿っていると信じ、ヤドリギが寄生したオークの木の下で儀式を行っていたそうです。
他にもヤドリギについて、「ヤドリギの下で友が出会うと幸せになり、敵が出会うと戦いをやめる」という言い伝えがあることも知りました。
見かけたらいいことがありそうですね。
ヤドリギが生えたそれはそれは大きな木の下に世界中の人々が集い戦いを止めて平和になる・・・そんな夢を見たいと思います。
メリークリスマス!