出会いと別れの季節
毎年、出会いと別れのこの時期は、少しざわざわとして落ち着かない気持ちがします。
それはかれこれ4年前の12月、趣味の自然散策でとある池に行った時のこと。
カルガモたちの中に、一羽だけ真っ黒な水鳥がいるのを見つけました。当時その鳥を知らなかった私は、オオバンという種類の鳥だと知り、すっかり好きになってしまいました。
黒い体に口ばしの白と丸い額の白が目立ちチャーミングで、水面を進む時に顔をひょこひょこ前に出す姿がとてもキュート。目は赤く、その横顔は私にはいつも微笑んでいるように見えます。
陸に上がった時に見た足は、その体のサイズから想像しなかった長い指でとてもアンバランスに見え、ともすると歩きにくそうでもあり興味深いものでした。
それからというもの、休日にはできるだけその池に出向きその鳥にこっそり名前もつけて、一定の距離を保ちながら観察して癒される時間を過ごしました。
それにしてもいつもたった一羽でいるのです、その背景に何かがあったのか…カルガモたちに交じってちょこちょこ動き回っている姿を見ながらその不思議に思いを馳せました。
出会いから3か月が過ぎたある日、池に行くと…その姿はありませんでした。
探しても見当たらず、おそらく冬鳥として他の場所に戻ったのでしょう。私はしばらくオオバン「ロス」のような気持になり、元気でいることを祈りました。
季節はめぐりその年の12月。(まさかいないよね…)と内心で思いながらまたその池を訪れると…「え、いた!いた―!」オオバンが一羽そこにいました。これは確かにあの同じオオバンだと思いました。
思いがけない再会に喜びが爆発し、後ろを通りがかったご夫婦がいたので思わず「オオバンです、帰って来たんです、嬉しくて…」と聞かれもしないのに感動を共有していると、さらに間もなく水草の陰からなんともう一羽!体も白い額も少し小さめのオオバンが出てきたのです。
一緒に連れてきたのでしょうか…仲間がいて良かったねと親のように嬉しくなりました。
そして今年もまたこの季節、彼らは池を去ってしまったようです。
人や生きもの、モノや景色など、出会いは私たちの周りにちりばめられています。別れも出会いがあってのこと。日々、出会えたことにフォーカスし感謝していきたいです。




