火曜コラム(紙面掲載 2026年5月12日)

夏奈色ひとみ


アースアワー

 アースアワーという言葉を聞いたことがありますか?
 「ちきゅうのためのいちじかん~あかりをけそう!アースアワー」は、毎年3月の春分の日に近い土曜日の20時30分から1時間、地球のために灯りを消す活動で今年は3月28日に行われました。
 それぞれの現地時間で灯りを消すので地球をぐるっと回る消灯リレーとなるこの取り組みは、2007年にオーストラリアで始まった草の根的な活動です。
 翌年からWWF(世界自然保護基金)が管轄し、今では世界190以上の国や地域が参加する世界最大級の環境イベントとなっているそうで、私も今回初めて参加しました。
 その日は比較的暖かい日で容易に暖房や照明を消すことができ、普段見ているTVやスマホからも離れました。
 ロウソクだけが灯るいつもの部屋でまず感じたことは、こんなにも静かな環境で暮らしているという気づきと有り難い思いでした。
 ろうそくの灯りは思いのほか明るく、「ああ、この灯りに照らされていない場所は、今、見る必要のない場所なのか…」という思いが湧き上がりました。
 夜でも煌々と灯りがついている環境が当たり前の昨今、目からの情報過多で心が定まらず落ち着かない思いや不眠や不調の原因にもつながっているのかもしれないと思いました。
 真っ直ぐ上に伸び、たまに揺らめくあたたかなロウソクの灯りを見ながら、本来なら自然な状況である暗闇が地球をぐるっと一周する様子を想像すると、なにか地球がクールダウンしホッと息をついているようなイメージと、地球に住むたくさんの生き物たちが暗闇で息をひそめている姿が浮かんできて、自分自身も癒される思いがしました。
 そしてふと昨年セブの海で出会った、大きなヒトデを見つけて嬉しそうに現地の言葉で話しかけてきた3歳くらいの女の子を思い出しました。
 あの子の笑顔、子どもたちみんなの笑顔を守っていかなければならない…地球のバトンを次の世代へつないでいくために自分は何ができる?個人レベルでできる小さなことをコツコツと実践していきその輪が広がれば大きなパワーになる…
 来年のアースアワーは、2027年3月20日(土)20時30分~1時間の予定です。みなさんは何をしますか?

絵本作家

夏奈色ひとみ

絵本作家