72歳運転 10代男女はねる 鏡石町 駅庁舎に突っ込む、男性死亡


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    駅庁舎に衝突した軽自動車

 15日午後3時53分頃、鏡石町中央のJR鏡石駅庁舎に軽自動車が突っ込み、近くにいた10代男女2人がはねられた。このうち埼玉県宮代町の大学1年生星野友哉さん(19)は出血性ショックにより搬送先の病院で午後6時に死亡を確認した。もう一方の神奈川県の女性は頭蓋骨骨折など重傷を負い意識不明だったが、現在は意識を取り戻している。
 須賀川署は軽自動車を運転していた鏡石町本町の女性パート従業員(72)を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕したが、大学生の死亡を受け過失致死傷容疑に切り替える方針。現場にいた人の話によると、事故直後、女性従業員は「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」と周囲に話していた。
 須賀川署によると女性従業員は町役場方面から駅庁舎に向けて直進した。道路と現場には高さ10㌢以上の段差があるが、軽自動車はかなりのスピードで乗り上げ、そのまま男女2人をはねた後、駅庁舎に衝突したものとみられる。
 星野さんらは町内の自動車教習所の免許合宿に参加しており、同日で卒業を迎え、送迎バスから降りてキャリーバッグを引き、歩いているところだった。
 目撃者らによるとはねられた星野さんは駅庁舎入り口付近に倒れ、意識はなかったという。女性は鉢植えなどとともに庁舎内に飛ばされた。
 事故当時、駅庁舎内にいた70代女性は「ものすごい音がして、気がつくと女性が倒れていた。何が起こったかわからなかった」と声を震わせる。
 事故を受け周囲は騒然となり、「まさかこんな事故が起こるなんて」と多くの人があ然としながら現場を見つめていた。
 16日朝には悲惨な事故を知った近隣住民や駅利用者らが犠牲者を思い現場で手を合わせる姿もみられた。
 須賀川署は事故を受け、16日から20日まで交通取り締まりを強化するなど続発防止の緊急対策を行う。
 鏡石町は16日、鏡石駅で発生した交通死亡事故を受け、緊急庁議を開き、町としての対策を協議した。
 木賊正男町長は「このような悲惨な事故が起きないよう町としてできる対策を早急に考えていきたい。各課で対策について協議し、報告するように」と話した。