前立腺肥大症WAVE治療件数が東北最多 公立岩瀬病院


  • 画像
    WEVE治療の診療実績を報告する植村部長

 公立岩瀬病院は昨年7月、前立腺肥大症の最も新しい「経尿道的水蒸気治療(WAVE)」を提供できる装置を県内初導入し、今月8日現在で東北最多の61件の症例数となり、植村元秀泌尿器科部長が会見を開き実績報告した。
 WAVE治療は患者の尿道から入れた管の先の小さな針で103度の高温水蒸気を肥大した部分に注入、対流させることで組織を壊し自然に体に吸収させるため侵襲性の低さが特徴。
 治療時間は5分から10分程度と短く、同病院では短期間入院で対応している。
 これまで県内全域の58歳から90歳までの患者を治療し、器具を製作販売する米国のボストン・サイエンティフィック社調べで同病院が症例数東北一を記録した。
 植村部長はWAVE治療の優位性を4月に横浜で開かれた第111回日本泌尿器科学会の総会で発表し、良好な成績で賞賛を得た。
 会見で植村部長は「WAVE治療は治療後の合併症が全くなく、術後3カ月の患者アンケートでも残尿感などの症例改善が好評で高い満足度を得ている」と報告した。
 前立腺肥大症は加齢によって起こる男性特有の病気で、頻尿や排尿困難など様々な症状が現れる。加齢に伴い誰もがり患する可能性があり、男性ホルモンの低下などにより50歳で3割、80歳で9割に肥大が見られる。
 WAVE治療は既存の治療法と比べて常用薬などの影響を受けづらく、患者の体への負担も大きく軽減される。海外では5年以上の治験があり、20カ国以上で導入されている。国内では一昨年9月から保健適応となった。