
交通弱者に欠かせない足となっているちょこすか
―交通弱者にとって大切な移動手段であり、なくなっては困る。須賀川市が長沼・岩瀬地域で実施するAIオンデマンド交通「ちょこすか」が受託業者の辞退により継続が危ぶまれていたが、地元の振興に尽力する長沼商工会が4月以降の運行に手を挙げ、休止が回避された。
「ちょこすか」は市過疎地域持続的発展計画に基づき、交通弱者をサポートするため利用者宅から地元病院・商店などの目的地まで送迎するワンボックスカーをAIによる配車システムで運行するサービス。
一昨年1月から実証運行を実施し、当初は長沼地域西部のみの運行だったが、同年9月から長沼・岩瀬の全域にエリアを拡大した。
利用実績は昨年1月から12月までで1906人(前年同期比1052人増)で、1年間で倍増の順調な推移をみせていた。
しかし受託事業者の長沼観光タクシーが人手不足を理由に今年度いっぱいで受託の辞退を申し出た。
市は事業継続の手立てを探り、昨年12月から制限付き一般競争入札を実施した。
市内を中心としたタクシー業者の申し込みに期待を寄せたが、申し出がないまま締め切りが迫っていった。
国に対する手続きの関係から、今回の入札を逃すと少なくとも4月以降に休止期間が生じる。
さらに長沼商工会が危惧したのは、「一度休止してしまえば、もう二度と再開はないのではないか」という可能性だった。
長沼高の統合などで利用者が減り、昨年10月の路線バス再編において長沼地域の一部で路線統合・廃止があったばかり。
一方で住民の高齢化が進み、免許を返納する人も増加傾向にある。
そうした中で交通弱者の足の確保は重要な課題となる。
「地元間での移動を助けるちょこすかで買い物をする人をサポートできれば、会員事業所にとっても多少はプラスになる」。
そうした背景から、長沼商工会が手を挙げ、ちょこすかの休止は回避された。
しかし現状の職員体制では予約も運行も対応しきれない。4月までに体制整備を急ピッチで進め、利用者たちの移動手段の維持確保を図る。
関係者は「採算ベースで考えると非常に厳しくはあるが、地域の魅力や地域経済を考えると、ちょこすかがなくなってしまっては困る。少しでも地元の力になれれば」と思いを明かす。
高い志によって維持が決まったちょこすかが、地域経済の活性化にも波及し、持続可能な体制を構築することが期待される。











