最高のアジフライ
「マスター、こんばんは。」
「いらっしゃいませ。今日はお一人ですか？」
「いつもの連れは今日は夜釣りに行ってるんだ。」
「そうですか。密にならない趣味として釣りの人気が上がってるみたいですね。」
「やってみるとなかなか楽しいよ。マスター、今日はビールを頂戴。」
「了解しました。今の時期、海釣りなら何を狙いますか？」
「うーん。狙うならメバルかなぁ。美味しいからね。」
「だんだん高級魚になってきましたね。どうぞ、ビールです。」
「ありがとう。まぁ、釣れるだけで楽しいから僕は何が釣れてもラッキーって思っちゃうけどね。」
「実際食べてお好きなお魚は何ですか？」
「やっぱりアジかなぁ。釣って帰って一気にさばくんだけど、自分で作るアジフライとビールは最高だよ。旨いし飽きなくて本当にいい魚だよね、アジって。」
「同感です。アジは美味しいですね。歳を重ねると青魚の美味しさが分かってきますよね。」
「不思議なもんだよね。小さい頃はマグロとサーモンが大好きでさ、父親が旨そうにアジの開きや秋刀魚のみりん干しを食べてるのを『干物ってそんなに旨いか？』って不思議に思ってたよ。」
「今は理解出来ますけど、そう思ったりしましたね。海釣りされてるお連れさんが、メバルを釣って帰って来たらどう調理されますか？」
「豪華にアクア・パッツァにしたいね。その時はメバル料理に合うビールや白ワインをマスターにセレクトして欲しいよ。」
「その時は是非アドバイスさせて下さい。」
「とらぬ狸のなんとやら～だね。マスター、白ワインをグラスで頂戴。」
「本日はスペイン産の白ワインです。いわゆるスッキリ、サッパリと言われる味ですね。こちらなんかは魚介料理にも合いますよ。」
「僕はアウトドアで白ワインを飲むのが好きなんだけど、マスターはアウトドアだったらどんな料理とお酒を合わせるの？」
「私が数人でキャンプ場に行くなら、簡単に調理出来てワインと合うものを考えます。魚介ならアヒージョにして白ワイン。タレの焼き鳥にはロゼのスパークリング、牛ランプ肉のステーキには赤ワインですね。ワインは高いものではなく、氷を入れても楽しめるお手軽なテーブルワインにします。安価で旨い料理とお酒を、気の合う仲間と楽しく味わいたいですね。」
「因みに、使いやすい場所とか素敵なロケーションってあるかな？」
「ロケーションでいえば、海の夕焼けが見えたら最高かなと思いますね。季節によってですが、海の近くのオートキャンプ場が１番気持ち良く感じます。」
「そうだよねぇ。海の見えるキャンプ場って素敵だよね。憧れはあるんだけど、ついつい近くの湖に行っちゃうんだよね。せっかく海まで釣りしに行ってるから、今度帰り道にキャンプ場探してみようかな。」
「お子さんとの良い思い出になると思いますよ。お父さんが一緒に釣って料理してくれたら、きっと最高のアジフライになると思います。」
「そうだね、ゴールデンウィークが落ち着いたら探して行ってみるよ。マスター、今度来た時にお魚持ってきてもいいかな？」
「有り難く頂戴します。今日も楽しい話をありがとうございました。お気をつけてお帰りください。」
ウイルスによる摩耗は続きますが、花々が咲き誇る季節がやっと訪れました。天気の良い日には、ついつい散歩してみたくなりますね。チャンスのある方は、アウトドアでの趣味を開拓してみてはいかがでしょうか。
