喜劇王とノスタルジー
「いらっしゃいませ。どうぞこちらへ。」
「こんばんは、マスター。何か季節のカクテルを貰えますか?」
「では、6月といえばスモモの季節。西洋スモモであるスローベリーのリキュール、スロー・ジンを使ったカクテルのチャーリー・チャップリンをお出しします。」
「昔の喜劇王のチャップリンですか?」
「喜劇王の愛称が由来なんですよ。実際に本人が飲んでいたかは謎とされてますが、良く出来たレシピですね。酸味を少し抑えてあげると現代風に仕上がります…。どうぞお試し下さい。」
「甘酸っぱくて美味しいです。梅酒のような、少し懐かしい感じもしますね。」
「懐かしいというのはいい表現ですね。このメーカーのスロー・ジンリキュールは残念ながら終売になってしまったんです。」
「スロー・ジン自体はまだ他にも販売されてるんですか?」
「他のメーカーの物は色々ございます。いずれお子さんと来店された時には、お父さんが飲んでいたのは少し違う味だったんだとお話出来ますね。」
「昔からのお酒は減っていくばかりですね。気付けば思い出の味だらけです。」
「歳を重ねる毎にノスタルジーは増え続けますからね。」
「今度の日曜日に子どもと出掛けるんですが丁度いいイベントありますかね?」
「でしたら、マリオの映画なんかどうですか?それぞれの世代のマリオゲームのお話で盛り上がるでしょう。」
「それはいいですね!行ってみます。」
それぞれの世代の心に刻まれてきたデジタルヒーロー。お子さんと観に行くにはうってつけかもしれません。現代の喜劇王とも言える可愛らしい口ひげのおじさんは、あなたとお子さんを笑顔に導く事でしょう。