「アスティア」YOGAの教え
~Yamas(禁戒)「Asteya」~
YOGAというと、まだまだ体を動かすエクササイズのイメージが強いと思いますが、古来より伝承されてきたYOGAの経典には、8つの方法からなるYOGA(八支則)を実践することで、「思考の波」を制御し、マインドを正し人が生きるという実践で大切な身体と、倫理的な思考の基礎を習得することができると書かれています。
【八支則 ①ヤマ:気をつけるべき5つのこと②ニヤマ:すべき5つのこと③アーサナ:安定したポーズの練習④プラナヤーマ:呼吸のコントロール⑤プラティヤハーラ:感覚のコントロール⑥ダーラナ:意識の集中⑦ディヤーナ:神に向かって流れ続ける瞑想⑧サマディ:神と一体・超意識の状態】
YOGAの最終的なゴールは、自分自身に至ること。そのために、毎日できる効果的なYOGAの実践方法の第一弾が①ヤマ(気をつけるべき5つのこと)になります。
それは、《1、アヒンサー:傷つけず 2、サティア:嘘をつかず 3、アスティア:盗まず 4、ブラフマチャリヤ:規則正しい生活をして 5、アパリグラハー:不要な物を抱え込まない》
今回はその「3、アスティア」という教えについて掘り下げて書いてみたいと思います。
「アスティア」とは、“不盗”と訳され「盗まない、強欲にならない、嫉妬しない」という意味になります。
ここであげる不盗は、単に物に対して盗まないという一般的なモラルのことだけでなく、物質以外の「時空間や意識レベル」でも気をつけましょうと教えてくれています。
無意識に奪いがちなのが、他者の時間やエネルギーです。例えば、待たせたり、無理やり付き合わせたり、相手に関係のない愚痴を聞かせたりと、これらもアスティアに反する行為となり得ます。
全ての人にとって時間やエネルギーは有限であることを忘れてはいけないという教えです。
私たち人間は生命活動を行ううえで、ありとあらゆる物を奪って(得て)生きています。自然界の水や空気はもちろん、食事として口にする全ての物は、動物や植物の「命」です。
そのことを忘れず、感謝の気持ちをもって、バランスよく生活を営むことを、YOGAの第一の実践に定義付けているのです。
ヤマ(禁戒)とは普段の生活習慣でついしてしまいがちな、行動や思考の癖を見直し、相手を敬い感謝し、常に心を磨き晴れやかにするための教えです。
八支則のYOGAの実践を積み重ね、自身の心と身体、意識を整える修行法こそが「YOGA」であり、マットの上だけで行うのがYOGAではないということを少しでも知ってもらえたら嬉しいです♪
体だけではないYOGAの実践を日々の暮らしに!Enjoy your happy life with YOGA!