信用
先日、個人の大きな買い物のために金融機関でローンの相談をした。金額や返済期間のアドバイスをもらい、審査に出すことになった。
私は珈琲屋を自称しているが、それは実は妻の事業で、私の本業は妻の両親がやっている小中学生を対象にした塾で中学生に勉強を教えることだ。
どちらにしても個人経営。ローンや融資のとき、個人事業主は、ちびまる子ちゃんの永沢くん並に信用がないため、審査に通らないこともある。
審査に提出する書類には塾に関することを書くことになるのだが、そこに「開業からの年数」という欄があった。
改めて考えると、短く見積もっても45年は続いていることが分かった。
私が手伝うようになってからは10年程になるが、その間にも色々なことがあった。台風の浸水で教室を失ったり、新型コロナウイルスが流行して生徒を取り巻く環境が一変したり。
それだけでなく、日々の授業は変化に富んでいる。小中学生の精神は非常に不安定で、昨日と今日で別人のようなときもあり、当然私たちも真しに向き合わなければならない。
とてもやり甲斐があるので、辛いとか嫌だとかはないが、毎日続けるのは体力も精神力も必要で、大変な仕事だ。
それを45年続け、今なおバリバリ現役でいる妻の両親は、本当に凄いと思う。
妻の珈琲屋で、お客様に「お父さん、お母さんにお世話になっていました」と言ってもらったことが何回かある。また、親子2代で通ってくれている生徒も多い。これは生徒や保護者から長年信頼を得てきた証だ。
予想を遥かに上回るスピードで少子化は進み、時代の変化の速度も加速度的に上がっているため、個人経営で塾をやっていくのはこれからどんどん難しくなるだろう。でも、どんな形になろうとも、義理の両親が続けてきた塾の痕跡は残したいと思っている。
ローンの審査は無事に通った。ふたりの45年間の仕事が社会的にも認められた気がしてうれしい、誇らしい。