「なまえ」
東京の神田神保町に「さぼうる」という人気の老舗喫茶店があります。店名を聞いた瞬間、「サボる」の派生語だと理解した私は、「なるほど。みんながサボりたくなるような、サボってゆっくりくつろげるような喫茶店なんだろうなぁ」と想像しました。
しかしそれは全くの勘違い。実際の語源は、スペイン語/ポルトガル語の“savor”、味・風味という意味でした。
本来「サボる」とは、怠けて休むことを意味するので、勘違いもい
いところですね。でも、「さぼうる」はちょっといい名前だなと思います。
ひらがな表記も可愛らしくてユニークさを感じさせるし、サボる(=ちょっと気をぬく?)を想像させるこの名前は、ほっとする空間や時間を提供する喫茶店には最高のネーミングです。
私は「はな」という名前が大好き。なんとなく「はな(花)」のような人になりたいなぁと考えたりします。
名前とは不思議なもので、そのモノのイメージ形成の一端を担うだけでなく、実際、名前の言葉の持つイメージや雰囲気に、そのモノ自体・その人自身も影響を受けている気がします。
GALATA COFFEE(ガラタコーヒー)のガラタ(Galata)とは、トルコ共和国イスタンブールにある一角の名前です。
東洋と西洋の文化が融合するイスタンブールのガラタ地区には、町のシンボル「ガラタ塔」があります。夫婦で行ったトルコの旅で、ガラタ塔から見た夕陽と町並みが綺麗すぎて。その思い出から、お店の名前を「ガラタコーヒー」にしました。
GALATA COFFEEという名前を見るたび、聞くたびに、頭の中ではガラタ塔とそのまわりの町並みが想像されます。町並みを優しく見守りながら凛と立っているガラタ塔、そして、東洋と西洋の文化が入り混じるイスタンブール。
GALATA COFFEEも名前のとおり、ガラタ塔やイスタンブールのような、そんな存在でありたいなと思うのです。ガラタという地がまだまだ憧れの存在だから。