歴史を味わう『黒ビールとミートパイ』
「こんばんは、マスター。」
「いらっしゃいませ、寒い中有り難うございます。今日は飲み会でしたか?」
「うん。二次会もあったみたいだけど遠慮して先に抜けて来たよ。」
「世代によって飲み方やお酒の種類も変わりますから、二次会からはそれぞれ分かれて飲むのも楽かもしれませんね。」
「そうだね、昔みたく上司と同じ酒を朝方まで付き合って飲むとかは難しくなって来たね。それじゃ、仕切り直しで黒ビール貰えるかな?」
「有り難うございます。では少しアルコール度数高めのトラピストビールをお出しします。今日のお通しはミニサイズのミートパイです。合わせてお楽しみ下さい。」
「ミートパイか、面白いね。なんか欧米文化ってイメージだけど、古くからある料理だったのかな?」
「起源で言うと約3000年前のエジプトの壁画に描いてあったそうです。因みにビールの起源はその頃のメソポタミアとされてます。それぞれが時間をかけ大陸を渡り、土地土地の影響を受けて今に至ったんですね。」
「面白いよね、こうして並ぶ黒ビールとミートパイも一つの貴重な巡り合わせに感じるよ。マスター、パイって他の種類も作る?結構甘いの好きなんだよね。」
「週末には甘いものを用意しますよ。今度いらしたらカスタードとリンゴのパイをお出ししましょう。」
料理やお酒には、それぞれに歴史が詰まっています。例えばそれは銘店のカレーにも実家のカレーにも言える事です。目まぐるしく過ぎる日々の中でも、食事の時間だけは落ち着いて味わいたいものです。